スポーツと国力



4月になったのでスポーツ関係の本も
そろそろ終わりにしようかな・・・と
スポーツの関係の本は
もちろん、アメリカやヨーロッパとの
比較で語られることが多い。


オリンピックや世界選手権というよりは
MLBセリエAプレミアリーグといった
プロリーグの運営的側面から
見たものが多いようだ。


この本は「巨人はなぜ勝てない」と
副題がついているが
スポーツ経営という観点から切る。
MLBNFLNBA、NHLという
アメリカの4大プロスポーツとの比較で
最も顕著な点は、経営的側面での
「如何にもうけるか、如何に権利を独占するか」
という努力が全く未熟であることが大きという。


商標登録によって、団体、組織、リーグ、チームの名称やロゴが独占的となり、他を排除できます。すなわち、「ブランド」になります。ブランド(brand)の原義は、牛飼いが自分の牛と他人の牛を間違わないように子牛に押した焼き印(burned)だそうです。区別化がブランドの始まりです。Dallas Mavericksという名前のNBAチームがあります、Mavericksは自分の牛に焼き印を押さずに、焼き印のない牛はすべて自分のものだと主張した伝説的な実在の人物です。ブランドの効用を逆手にとった話ですが、今では、Mavericksといえば、異端児とか一匹狼的な人のことを意味します。[p.75]



「権利は奪い取るものである」という
言葉が象徴的に感じました。
読んでいると、だんだんと気分が暗くなる本。
書いてあることはもっともですし、
日本のプロ野球Jリーグもこのような
努力を惜しまずにレベルアップしてほしい
ともおもいますが・・・


オリンピックが黒字を達成できるようになると多くの都市が招致に動き出します。招致の動機は色々です。数が増えるとそれだけ競争が激しくなります。競争の激化は開催地投票権所有者への賄賂を促します。・・中略・・商業主義はまた、勝利至上主義を生み出しました。勝利至上主義はドーピングを始め諸々の問題を引き起こします。勝利に対する見返りがあまりにも大きいからです。
商業主義で膨れ上がったオリンピックはますます豪華になり、全世界の注目を浴びる場になりました。世界が見つめる大会は同時にテロリストの標的にもなります。経済面を克服したオリンピックは、今後、ドーピングとテロとの戦いに直面することになりました。[p.214]

結局、経済的な問題解決は、現実的な問題として
外すこのできない問題なのだろうが
様々な新手の問題を生み出すものであるのかもしれない。
根本的な解決はどこに。