かもめ食堂

http://www.kamome-movie.com/
かもめ食堂」という映画の存在を
初めて知ったのは長野電鉄の駅だった。
大きなポスターが貼ってあった。


それは、主演の
小林聡美片桐はいりもたいまさこ
フィンランドの池のほとりに
立っていたものだったと思う。


いい感じに気の抜けた具合が目にとまった。
結局そのときは時間が取れなくて
見ることができなかったのだが
今日実家に帰るとWOWOWでやっている。


録画したのでまだ少ししか見ていないが
気になったことがいくつもあった。


まず、とてもすっきりした画面がつくられていたこと。
それから、まったりというか、ゆったりというか
そんな時間軸の中で小さなふり幅の出来事が
繰り返されること。


画面全体の色がなんともいえない温かみを
持っていたことも印象に残った。
ハリウッド映画によくあるような
陰影が強く、次の展開への驚きを
予感させるような場面はない。


小津安二郎の「東京物語」を見たときの
感じに近いかもしれない。
映画全体は抑揚も少なく流れているのに
見ていて飽きることがない。


終盤に差し掛かるところで
ミドリがサチエに
「私が日本に帰ってもさみしくないか?」
と聞く場面があった。
サチエは
「ミドリさんにはミドリさんの人生があるから」
と答えるのだが・・・


自分はどうだろうと思った。
今までなら「これで最後になるわけでもないし・・・」
などと屁理屈をこねた。
今はすぐにふたりの顔が浮かんだ。
ありがとう。