下流同盟



下流同盟―格差社会とファスト風土 (朝日新書)

下流同盟―格差社会とファスト風土 (朝日新書)



また、三浦展さんの本を手にとった。
これも、しばらく前にbunjiに送られてきたものだ。
三浦さんというと「下流社会」という言葉が
思い浮かぶ。


昨年、ベストセラーになったその『下流社会』という本は
結構おもしろくなかった。
養老孟司の『バカの壁』も本当におもしろくなかった。
2冊ともあまり読む価値がないのではないかと
今でも思っている。
養老孟司の『唯脳論』はまだ読んでいて楽しかった。


三浦さんに至っては、この本がピンと来た。
下流社会』のせいで食わず嫌いになったのは
よくなかった。


飛び出す言葉のひとつひとつに驚きを感じる。
今まで、いろいろと問題を感じていたものの間にも
そんな相関が見られるのかと、そんなことを強く思った。
この本に登場する問題点に、目新しいものはひとつもない。
すべてが、誰もが問題だと思いながらも、
解決に向けた具体的な行動をまごつかせているものばかりだ。


ファスト風土 街の使い捨て 再魔術化 従業員の9割以上が非正規雇用者 太った低所得層 この街はウォルマートに潰された 低所得の人ほど生野菜を買わない individualization 低賃金 local identityの喪失 風俗店に占拠 計画性のない計画的な市街地の開発 「ウォルマートもどき」の将来 病気になっても医者にかかれない ワーキング・プア 貧困者の45%以上は白人たち 「見えない貧困」の典型 イケア マクドナルド 下流社会


1989年にイタリアで発せられたスローフード宣言は
こうしたファストフード=グローバリズムアメリカ化
に対抗するヨーロッパの抵抗から始まった。

「我々の世紀は、工業文明の下に発達し、
まず最初に自動車を発明することで、生活のかたちを作ってきました。
我々みんなが、スピードに束縛され、そして我々の慣習を狂わせ、
家庭のプライバシーにまで侵害し、“ファーストフード”を食すことを強いる
“ファーストライフ”という共通のウィルスに感染しているのです。
いまこそ、ホモ・サピエンスは、この滅亡の危機に向けて
突き進もうとするスピードから、自らを解放しなければなりません。」



スローフードも最近はメディアに露出しすぎて
オシャレなスローフードみたいにされちゃって
つまんなくなった。