アルケミスト
- 作者: パウロ・コエーリョ
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 1997/02/21
- メディア: 文庫
- 購入: 65人 クリック: 692回
- この商品を含むブログ (242件) を見る
パウロ・コエーリョという名前にも
アルケミストというタイトルにも
錬金術師という響きにも
何か心引かれるものがあった。
平野啓一郎も芥川賞を受賞した彼の初めての作品「日蝕」の中で
中世フランスにおける錬金術師を登場させている。
それは異業のもののようであり
科学を志すもののようでもあり
修道者のようでもある。
いずれにせよ、この世に生きていながら
この世に生きていないかのような存在を感じる。
羊飼いの少年サンチャゴはいくつかの出会いを経て
アフリカのピラミッドを目指す。
30年も生きていると登場人物の境遇がそんなに珍しく
感じられなくなってくる。
そんな事もあるだろうさ、そんな気がしてくる。
少年の出会いは物語であり、冒険的だけれども
それは私たちの出会いの暗喩であるように感じられる。
あるものはそこにあって、気づいていないのはどうしてだろう。